GMOインターネット株式会社宅配システムにブロックチェーンを導入


今回は、GMOインターネット株式会社が宅配システムにブロックチェーンを導入した事例について紹介していく。
昨今では、スマートフォンの普及によるインターネット利用環境の拡大を背景に、Amazonや楽天市場などに代表されるECサイトでの買い物や通販の需要が急拡大しており、同時に宅配の需要も増加している。

概要

宅配業者にとって、頭を悩ませるのは受け取り側の不在ケースの多さ、それはつまり「再配達」の多さだ。
再配達の件数を減らす為に、同社では配達員が受け取り手の指定をし、指定された受け取り手しか荷物を受け取ることの出来ない宅配ボックスを設置した。
宅配業者は荷物の投函後に、受け取り手を指定し、その情報はブロックチェーンに記録される。
また、実際に受取手が荷物を受け取った後、誰がいつその荷物を受け取ったのかという情報もブロックチェーンに記録される仕組みだ。
これらの情報は改ざんできない状態で記録される為、一度施錠された宅配ボックスは、施錠時に指定した本人しか開けることができない。

バックグラウンド

ECサイトの利用者拡大に伴い、宅配の需要も増している。
宅配数が増えることによって、注文した商品の再配達等も増えており、配達員の負担増大、さらに配達車から排出される二酸化炭素が増えることによって環境破壊にも繋がりかねないという問題が生じている。

ブロックチェーンの導入

導入目的

従来の宅配の問題点は再配達数の多さであった。
ブロックチェーン技術を導入することで「再配達数」を減少させることができると判断した。
再配達となる原因は、受け取り手の不在と配達員の誤配送がある。
受取り手の不在に対しては、配達員が受け取り手を指定して宅配ボックスに荷物を投函すれば良い。
配達員の誤配送に対しては、受取り手の情報は過去の配達からブロックチェーンに記録されているので、受け取り手を指定する際に誤配送に気づくことができるのだ。

導入内容

GMOインターネットおよびGMOグローバルサイン、セゾン情報システムズの3社は、ブロックチェーンとIoTを活用した実験的取り組み(2016.12時点)の一環として、こうした宅配の課題を解決し、本人不在時の再配達や受け取りの手間の削減、誤配達防止を実現する宅配ボックスの開閉の制御システムを開発し、その実証実験を行った。
これにより、「本人のみが受け取れる宅配ボックス」の実現が可能なことを確認した。
今回の実証実験では、GMOインターネットが提供するPaaS型のブロックチェーンプラットフォーム「Z.com Cloud ブロックチェーン」を基盤にシステムを構築し、IoTデバイスである宅配ボックスには、セゾン情報システムズが提供する安全・確実なシステム間連携を実現する信頼性の高い「HULFT IoT」を導入した。
このシステムでは、配送業者が宅配ボックスに荷物を納入することで、ブロックチェーン上に納入記録および施錠要求が行われる。
荷物を受け取る利用者は、個人に紐づくスマートフォンを通じてブロックチェーン上に解錠を要求することで、宅配ボックスが解錠し、荷物の受領が記録されるのだ。
またこれを進化させれば、解錠と共に代金を決済することも可能となり、不在時でも代金引換荷物の再配達が不要となる。

導入結果または期待されること

再配達となる原因には、受け取り手の不在と、宅配業者の誤配送の2点の原因が考えられる。
受取り手の不在に対しては、配達時に受け取り手がいなくとも、その宅配ボックスに荷物を投函して受け取り手を指定しておけば、再配達を行う必要性はなくなる。
またそれだけでなく、ブロックチェーン上に投函と受取を記録するメリットとしては、特定の配送業者に縛られることなく、誰がいつボックスを開閉し、何を受けっとたのかということが証明され、保証されるという点もある。
これによって、仮に配達員が荷物の誤配送を行ってしまった場合にも、誰がその宅配ボックスを開けて荷物を受け取っていたのかという受け取り手の情報については、今までの配達から情報が電子上に記録されているので、間違った相手に配達をしていることに配達員側が気づくことが容易になる。

通販サイトの利用者がさらに増えていくと予測されていく今、物流業界とブロックチェーン がどのように親和していくのか、今後も目が離せない。

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