茨城県が選挙にブロックチェーンを導入


今回は、茨城県つくば市が選挙にブロックチェーンを導入した事例について紹介する。

概要

茨城県つくば市では、マイナンバー識別システムとブロックチェーン技術を利用した新しいオンライン投票システムが導入された。

科学研究の中心地としてよく知られているつくばは、こういったオンライン投票システムの利用を開始した初めての場所となる。このシステムでは、マイナンバーカードをカードリーダーに載せた後、投票者がコンピューターのディスプレイを介して投票することができる。ブロックチェーンテクノロジーは、投票データが改ざんされたり読み取られたりするのを防ぐために使用されるのだ。

バックグラウンド

従来の選挙の問題点は4点あげる事ができる。
1:投票率が低い点
2:1票の格差の問題がある点
3:開票作業にかなりの時間や労働力を要する点
4:人力で開票作業を行うので、不正が行われる可能性がある点

ブロックチェーンの導入

導入目的

1点目と2点目については、今回のブロックチェーンを導入したことによって直接的な解決を図れるわけではない。
しかし、3点目と4点目についてはブロックチェーン導入によって解決を図っていくことが出来る。
人が開票作業を行うので、不正が行われる可能性がある点については、人が開票作業を行う必要性が無くなることからも解決できるが、それだけでなく、投票した情報がブロックチェーンに記述されることによって、その情報は改ざんされることが極めて困難になり、正当性が担保されるところが大きな要因となったようだ。

導入内容

ネット投票システムはパイプドHDのグループ会社で政治・選挙情報サイト「政治山」を運営するVOTE FORが企画や仕様設計などを担い、公職選挙にネット投票を導入する際の検討課題が実証された(2018年8月20日)。マイナンバーカードの署名用電子証明書と暗証番号によって本人の投票であると確認し、投票者情報と投票内容を別のサーバーで管理して投票データの改ざんや消失を防止する。システム管理者でも投票者情報と投票内容を紐付けられないという。
今回の注目点は、オンライン上で投票が完結されること、また投票した情報がブロックチェーンに記述されることによって既存の問題を解決することが出来ることだ。

導入結果または期待されること

開票作業にかなりの時間や労働力を要するという点については、最近インドネシアの大統領選と総選挙の開票に勤しんでいた100人以上の方々が過労などの原因で死亡し、500人以上の方々が病気にかかってしまったというニュースがあった。
しかし、オンライン上で投票が行えることによって、従来開票作業に必要になっていた労働力は不要となる。
五十嵐達夫つくば市長は、このシステムを使って実際に投票をした後「もっと複雑な手続きが必要だと思っていましたが、最小限で簡単でした」と語る。
今までは直接投票所に足を運んでいた老年世代にもこのシステムによって負担を減らすことが可能となる。
一方で、多くの有権者が投票用のパスワードを覚えていないことや、投票が行われたかどうかを判断するのが困難であることなど、いくつかの問題も同時に発生した。
また、オンライン投票の分野に精通している東北大学の川村和典教授は、「間違いの恐れがある為、行政組織や選挙管理委員会がこれらを導入するのは難しいと考える可能性が高い」と述べる。

まだ課題が残っていたり、信頼をされていないオンライン投票システムだが、つくば市の事例を皮切りに、様々な地域や国で導入されていけば従来の選挙の問題点は解決されていくことが期待される。

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