マイクロソフト・アマゾン:気候変動への対応を強化


まとめ
マイクロソフトは炭素排出権構築のブロックチェーンに関する論文を共同でまとめ、アマゾンは気候変動の影響軽減技術に特化したベンチャーに20億規模のファンドを組むなどアメリカのテックジャイアントが気候変動に対する動きを強めている。

アメリカのテックジャイアントが気候変動に対応する動きを強めている。

マイクロソフトは22日、炭素排出権市場の構築にブロックチェーン活用で得られる潜在的メリットを、ドイツとデンマークにある2つの大学と共同で論本にまとめ、発表を行なった。その翌日には、アマゾンが気候変動の影響を軽減する技術などに特化した、20億ドル規模のベンチャーキャピタルファンドの組成を公表した。

パリ協定における目標は気候変動の脅威に対する世界的な取り組みを実現することとなっている。具体的には世界の平均気温上昇を産業革命以前のレベルから2℃以下に抑えるという目標である。

マイクロソフトはブロックチェーンを活用

マイクロソフトとベルリン工科大学デンマーク工科大学が発表した論文「パリ協定炭素市場メカニズムへのブロックチェーン適用─意思決定フレームワークとアーキテクチャ」は、パリ協定第6条2項で定められた炭素市場メカニズムへのブロックチェーンと分散型台帳技術導入の適合性を目指している。

第6条2項は、国際的な排出量取引制度について中央集権的ではない協調的な会計方式の提供を目標に掲げるものである。

「2005年の京都議定書で規定されたような古いインフラソリューションは『中央集権的で断片化したデータ構造』での手作業に基づいているため限界がある。」と論文には述べられている。

また「古いデータベース構造だけを考慮した場合、“新しく”設計したはずのポスト2020年の市場メカニズムはすでに開始日には時代遅れになっているリスクがある。」とコメントしている。

ブロックチェーンの可能性

論文の作成にはマイクロソフトのデータ・AI・ブロックチェーン・クラウドサービスのスペシャリストであるローラ・フランケ氏が参加した。著者らはブロックチェーンが持つ情報の透明性と不変性が実現可能な代替案を提供できると考えている。

同氏は「パリ協定で描かれているボトムアップの分散型統治システムには、ブロックチェーンの適用が有望で透明性の向上と自動化の推進というメリットが存在する。」と述べている。

しかし、ブロックチェーンと分散型台帳システムは炭素市場の問題をすべて解決できるものではない。「ブロックチェーン技術を適用する際に発生するメリット・デメリットに対する個別の評価が必要である。」との見解も示している。

それでもブロックチェーンプラットフォームの利用は「他の新技術との相互運用性・スマートコントラクトによるプロセスの自動化・透明性・トレーサビリティ・監査可能性の強化・システムのセキュリティと参加者間の信頼性の強化において明確なメリットを提供する。」との一文が論文に記載されることとなった。

一方、アマゾンの気候変動対策ファンドは「クライメート・プレッジ・ファンド」と名づけられ、輸送や製造業・農業・食品・エネルギー分野における企業に投資を行っていくことがすでに明らかにされている。アマゾンは今後、同ファンド規模を拡大する可能性もあると発表している。

 

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