P2Pで電力の売買取引ができるプラットフォームを開発するデジタルグリッドは、東芝など5社から7億5,000万円を調達した。同社は6月末までにさらに追加の増資を計画しており、事業の拡大を進めると発表しています。
デジタルグリッドは「デジタルグリッド・プラットフォーム」と呼ぶ基盤を開発し、民間企業による初の電力市場の創設を進めている。同社はこれまでにソニーを含む55社から資金を集めてきた。
気候変動対策として再生可能エネルギーの活用ニーズが高まる中、これを利用した電力源の需給調整は困難であり、電力システム活用のためには多くの課題が残されていた。DGPを利用することで再生可能エネルギー電源などのさまざまな電源と、電力需要を直接P2Pで結びつけることが可能になる。
再生可能エネルギー
日本では重油・天然ガス・石炭を主な燃料にする火力発電に加え、水力発電や原子力発電が、電力需要の基盤部分にあたるベースロードと、需要のピーク時にあたるピークロード需要を補ってきた。気候変動の対策が世界的に求められるなか、大口の電力を必要とする大手企業を中心に、再生可能な燃料をベースにした電力に対する需要は高まってきている。
DGPは電源の識別が可能となっており、需要家サイドは再生可能エネルギーだけを選んで購入することができるよう設計されている。人工知能を活用することで、電力の需給調整に必要な煩雑な業務を自動化できるという。さらに発電サイドは電気を効率的に売却でき、需要家サイドにとっては電力コストの削減につながることが期待されている。
また、同プラットフォームはブロックチェーンによる電源識別を活用し、独自の再生エネルギーの価値証書「CREV」の売買取引を可能にしている。国が運営する「J-クレジット」やグリーン電力証書などの環境価値とも連携し、エネルギー調達や二酸化炭素の排出量の削減を進める企業に販売する取引スキームを展開しているという。
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