米議員が法案提出:ブロックチェーンを国家戦略へ


まとめ
2020年5月19日、ブロックチェーンを国家戦略にするよう求める法案が米国で提出された。同法案はブロックチェーン技術の調査を商務省と連邦取引委員会に要請するものであり、同技術の導入メリット・デメリットなどの調査を求めている。また、米国だけでなく、各国でブロックチェーン技術導入を測っており、日本でもIT担当大臣及び経済産業大臣に「ブロックチェーン国家戦略に向けた提言」を新経済連盟と日本ブロックチェーン協会が提出している。

ブロックチェーンを国家戦略へ

5月19日、米国でブロックチェーンを国家戦略にする要求をする法案が提出された。

同法案はブロックチェーン技術に関して、商務省と連邦取引委員会に調査をするよう求めている。法案が通過すれば、2年以内に調査を実施し、調査終了から半年間で議会に調査結果を報告しなければならない。

同法案で要求しているのは、国家レベルでのブロックチェーンの使用・技術採用のメリットとデメリットの列挙・企業での利用推進・リスクを最低限に止める対策や法的な枠組みの作成などである。

以前から、米国ではブロックチェーンを用いる動きは確認されている。今月に差し掛かってからも、ブロックチェーン投票を考慮する動きやドローン業界での使用を調べる動きがみられた。

米国のみならず、ブロックチェーン技術を用いようとする国は多く、その汎用性の高さから採用を探る業界も範囲が広い。3月、日本でも新経済連盟と日本ブロックチェーン協会が協力し、IT担当大臣並びに経済産業大臣に「ブロックチェーン国家戦略に向けた提言(事例分析編)」を提出した。

米国の法案提出に関しては、技術採用のメリットのみならず、背景には中国に先立っていることが挙げられる。同法案を提出した議員は、「法案の発表に際して中国に負けてはならないと」述べている。

昨年10月、中国では習近平国家主席が国家としてブロックチェーン技術の開発・使用を進めると述べてから、取り組みが瞬く間に活発化した。先月25日には、国家ブロックチェーン・プラットフォームである「BSN(ブロックチェーン・サービスネットワーク)」をローンチしている。

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