ソフトバンクなどの世界における通信事業者で組織されているブロックチェーンコンソーシアム「キャリア・ブロックチェーン・スタディ・グループ(CBSG)」は、台湾と米国の通信事業者がブロックチェーン基盤の決済ネットワークの試験を完了したと発表した。
今回の試験は、台湾の亜太電信と米国の携帯事業者との間で行われた。さらにこの試験では、CBSGのメンバーであるTBCASoftが開発した、通信事業者間のブロックチェーン決済システム「クロスキャリア・ペイメント・システム(CCPS)」のプラットフォームが使われている。米キャリアの携帯電話契約者が台湾を訪れた際に、CCPSを通じて亜太電信の決済システムの加盟店で支払いを行ったという。
この決算システムの利点としては、通信事業者間で決済を完了させることができ、米キャリアのユーザーは自国通貨で支払いを行うことが可能となる点が挙げられている。
亜太電信の幹部は、今回の試験成功でクロスボーダーの決済サービスでの意義を以下のように述べた。
「クロスボーダーのモバイル決済サービスは亜太電信の加入者に大きな利益をもたらすことになるだろう。このサービスを使うことで、旅行者は外貨交換の手数料を削減できる他、モバイルキャッシュレス決済のメリットを享受することもできる。」
ソフトバンクも試験済み
ソフトバンクと台湾の遠傳電信も昨年1月にモバイル決済のフィールドテストを完了している。
ソフトバンクユーザーが台湾でファーイーストンのネットワークを介して、モバイルウォレットを使って加盟店で商品を購入した。またファーイーストンのユーザーが日本での買い物をソフトバンクのネットワークを利用して行った。
ソフトバンクは昨年10月、日本IBMやTBCASoftと戦略的提携を発表している。ブロックチェーンを使ったキャリア間決済システムを2020年に首都圏で本格的に導入する見込みだ。
TBCASoftは技術とソリューションを、IBMはブロックチェーン技術、ソフトバンクは通信事業者の知見を提供することとなっている。3社は「CBSGコンソーシアム」を通して協力するという。
ソフトバンクの関連記事はこちらから