中国人民銀行:近代技術で金融業界での標準づくりに着手


まとめ
中国人民銀行は、人工知能(AI)、ブロックチェーン、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなど17にも及ぶ近代技術に対し、金融業界での標準づくりに着手したことを発表。フィンテックの健全発展を後押しする。

中国の中央銀行である中国人民銀行の藩一飛副総裁は、次世代技術の実用化に向け、人工知能・ビッグデータ・ブロックチェーン・クラウドコンピューティングなど17技術の金融業界での標準づくりに着手したことを明かした。これについては新華社が報じている。

藩副総裁によると、金融業界に関する中国国家レベルの技術標準は65項目あり、業界標準は252項目にも上る。既にモバイル決済の端末技術や音声識別などには国家標準が設けられており、業界の成長に大きく寄与している。また、フィンテックでは20余りの業界団体が、独自に業界標準づくりに取り組んでいる。

藩副総裁はフィンテック産業の発展には高度な標準が必要な一方で、現状は不足していると指摘する。また、かなり以前に策定され、今の環境やニーズと合わない標準が弊害となる可能性についても指摘した。

フィンテックの重要技術の標準策定ではデータの安全確保に重点を置きつつ、デジタル金融を発展させる上でより成長性が見込める分野を優先していくという。

中国は2017年に暗号通貨取引やICOを全面禁止する中、ブロックチェーン技術は「技術強国を目指す上でキーとなる次世代技術」と位置づけられ、AIやビッグデータと並んで支援を行なっている。特に10月には、習近平国家主席が「ブロックチェーン技術で世界をリードする」と宣言したことで、先行していたAIやビッグデータ並みの投資が流れ込むと期待されている。

 

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