富士通:中国でブロックチェーン上の取引分析・追跡技術の検証を始める


まとめ
富士通研究所の中国法人である富士通研究開発中心有限公司(FRDC)と現地の研究開発機関である蘇州同済ブロックチェーン研究院(STBC)が、ブロックチェーン上の取引データ解析技術の共同研究を開始したことを発表した。物流追跡などに利用中の基盤へ新技術を実装し、本番環境での有効性を確認するという。

11月6日、富士通研究所は、ブロックチェーン上のトランザクション(取引)データ解析技術の共同研究を、同社の中国法人である富士通研究開発中心有限公司(FRDC)と現地の研究開発機関である蘇州同済ブロックチェーン研究院(STBC)が開始したことを明らかにした。

現在、STBCが提供している独自のブロックチェーンベースWuTong Chain(ウートンチェイン)に、FRDCが開発したブロックチェーンのトランザクションデータを解析する技術を実装。11月6日から翌年6月までの間、同サービスを使用している企業向けに試用サービスとして提供し、本番環境での技術の有効性を確かめている。

ブロックチェーンでは、ブロックに取引内容のデータを連鎖的に記録していく。時系列や関連性は記されないため、1つの取引を調査することはできるが、関連する取引を探すことは一般的に難しい。FRDCの解析技術はブロックチェーン上のトランザクションデータを効率よく視覚化し、調査することができる。

蘇州同済ブロックチェーン研究院は、上海市の北西にある蘇州市の市政府と近隣に位置する中国トップ大学の1つ、同済大学が提携して創立した研究開発機関である。人材育成、評価サービス、企業インキュベーションなどのサービスを提供している。2018年3月、物流追跡、サプライチェーン金融、司法証拠金保証などの用途で、中国企業が利用を進めているブロックチェーン基盤ウートンチェインを公表した。

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