スペースチェーン(SpaceChain)は欧州宇宙機関(ESA)から獲得した6万ユーロ(約700万円)の補助金を、衛星ベースのブロックチェーンウォレットシステムにおける事例調査に使用する。
9月18日の発表によると、補助金はESAの「キックスタート・アクティビティ」ファンドからのもので、高度なセキュリティとマルチシグネチャー機能を備えた分散型衛星ネットワークを軌道に送り込むというスペースチェーンの取り組みを支持している。
スペースチェーンは3つのシグネチャーを用いるシステムを使用しており、2つは地上で、1つは衛星に搭載され、軌道上で使われる。トランザクション完了のためには、この中で最低2つのシグネチャーが必要になる。
同社の共同創業者兼CEOのジー・ツェン(Zee Zheng)氏は、衛星ベースのノードはデータとプロトコルを衛星にダイレクトにアップリンクすることにより、インターネット上で展開される地球上でのネットワーク処理に比べてはるかに安全だと語った。
「こうしたトランザクションのためにインターネットにアクセスする必要がないため、ハッキングに関する多くの潜在的リスクを排除できる」と同氏は主張したうえで、「我々が対象としているのは昨年、10億ドルの暗号資産が盗まれた市場。我々のシステムならハッカーにとって、状況は比べものにならないほど困難になる」と述べた。
ツェン氏は、ESAからの補助金は仮想通貨コミュニティーにとって、ブロックチェーンの宇宙での展開を知る機会になると考えている。スペースチェーンは今後18カ月で3回の衛星打ち上げを計画している。