無電化地域で広がるミニグリッド
2019年9月11日、株式会社chaintopeはミャンマーの無電化地域に広がるミニグリッド市場に対し、ブロックチェーン技術を活用したモバイル決済ソリューションの開発に向けて、MPT Money Co. Ltd.・KYOCERA Communication Systems Kinetic Myanmar Co. Ltd.・Propel Network Sdn. Bhd.と連携して行われる実証実験について発表した。
ミャンマー連邦共和国では、系統を通して送配電を行える地域は都市部に限られており、国全体の電化率はおおよそ42%と低い。それ以外の農村部に暮らすおおよそ63%の国民は、今後10年以上系統電力網が届く見込みがない「無電化地域」で生活している。
ミャンマー政府は、2030年までにすべての国民が電気にアクセスできる環境を整えると発表している。またその具体策として、村落単位で独立型ミニグリッドを敷設する計画を推進している。この方針の下、世界銀行等の融資を活用し、国内外の民間企業によるミニグリッド事業への参画が始まっている。
太陽光を主電源とするミニグリッドは、健康や環境への負荷が少なく、また電化により村で小規模事業が生まれる等のメリットを持ち合わせている。一方で、系統電力と比べ高額な電気料金や、ミニグリッド運営者のオペレーションコストの高さなど、複数の課題がまだ存在するのが現状だ。
課題を解決するためのプロジェクト
今回のプロジェクトは、独立型ミニグリッドをより経済的かつ効率的に運用するためのプラットフォームを構築し、農村部におけるミニグリッド電源、ひいては再生可能エネルギーが継続的に活用されることを目指すという。
Chaintopeのプラットフォームはブロックチェーン技術を活用すしているために、世帯にひもづくモバイルマネーアカウントの電気料金支払履歴、スマートメータから取得する電力消費量、ミニグリッド施設のパワーコンディショナから取得する発電量の3つを記録することが可能である。
支払金額と消費量を可視化ならびに相殺を行うことで、盗電や人的ミスの回避を目指す。また、電気利用者のキャッシュレス化や、現在手動で行っている需要と供給の調整作業の簡便化、環境価値の可視化といった機能拡張にも、このプロジェクトを通して取り組む予定だ。
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