ブロックチェーン導入で裁判における証拠の保全・大幅な効率化ねらう / 中国司法


まとめ
中国山東省の青島市の紛争解決機関である青島仲裁委員会は、Eコマースやインターネット金融に関する紛争解決に最新IT技術を積極活用する方針を表明した。デジタル証拠保全プラットフォームには人工知能(AI)、ブロックチェーン、タイムスタンプを導入することでECやフィンテック分野での紛争解決の迅速化に寄与すると期待されている。

 

8月23日に、中国山東省 青島市の紛争解決機関である青島仲裁委員会が「インターネット仲裁規則」を発表した。

同委員会は、インターネット仲裁プラットフォームの運営を開始し、Eコマース(電子商取引)やインターネット金融に関する紛争解決に最新IT技術を活用することを表明している。

仲裁手続きにかかる費用を抑えて、短期間でより多くの案件を処理することを目指し、オンラインの仲裁プラットフォームとデジタル証拠保全プラットフォームを構築する。デジタル証拠保全プラットフォームには人工知能(AI)・ブロックチェーン・タイムスタンプを導入する。

具体的にはデジタル証拠をハッシュ値形式でプラットフォームに送信し、安全に保存することができる。ブロックチェーン技術を用いて証拠の改ざんや紛失を防ぐことも可能である。

2018年9月には、中国の最高裁にあたる最高人民法院が、電子証拠の提出者にタイムスタンプやブロックチェーンなどを活用し、証拠の改ざん防止や保全に努力するよう求める「インターネット裁判所の審理案件に関する若干の問題の規定」を発表した。

これに先立つ2018年2月には、広州市の仲裁委員会が国内で初めてブロックチェーン技術を用いた仲裁プラットフォームでの裁決を実施した。同年9月には南京市も同様のプラットフォームを開設するなど、国内で動きが広がっている。

仲裁だけでなく裁判に必要な情報をブロックチェーンで管理することも可能だ。杭州インターネット裁判所は、ブロックチェーン導入によって知的財産権を巡る訴訟の処理を大幅に効率化することに成功した。

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