アステリア:IoT・AI・ブロックチェーン全部入りのセンサーシステムを発表


まとめ
アステリアはAI搭載型のIoT統合システム「Gravio 3」を発表した。登録済みの人物を監視カメラで判別しスマホ経由で来場案内などを可能とする仕組みだ。「Gravio 3」は、同社が独自開発したブロックチェーンFidesでデータの連係を行うもので、最新技術のフル活用された新システムとなっている。

8月23日、アステリアはAI搭載型のIoT統合システム「Gravio 3」を発表し、製品発表会を開催した。AIとIoT、ブロックチェーンといった次世代技術は、組み合わせるとより強力なものへと進化する。バージョン3へと更新された同社のGravioは、それらを実際に組み合わせて製品として販売される。

同システムは人感・温度・振動センサーやカメラなどと、それらを管理しデータ処理を行うハブから構成されている。ハブ1台につき100個のセンサーの管理が可能であり、複数台のハブをブロックチェーンで連携することで大型の施設にも対応できる。ハブ自体の制御はPCで行う予定だ。

システムはAIによる学習機能を搭載することも決定している。写真から監視カメラに映る特定の人物を検出するだけでなく、捉えた人物の年齢層を判定する機能も持ち合わせている。例えばオフィスの入場管理システムなどを半自動化することが想定される。アポイント済みの来客時に自動的に内線がつながるようにしたり、未登録の人物が訪れた際には受付担当に回すなど、事務の効率化が見込まれている。

Gravio 3は、同社が独自開発したブロックチェーンFidesでデータの連携を行う。Fidesは、IoT機器向けの用途に特化した設計担っている。耐改ざん性によるセキュリティの向上はもちろん、データの複製やデバイスの稼働履歴の記録を高速に処理可能なものである。Gravio Hubがノードの役割を持ち、部屋単位やフロア単位でデータを共有し、複数台のハブを単一のPCで一元的に管理することが可能となっている。

今回発表されたGravio 3では、機能面の強化を図ったという。ブロックチェーン技術の導入、センサーとデバイスの対応幅の拡充が主なアップデート項目だ。Gravio Hubには人感・温度・振動・開錠・スイッチ・環境などのセンサー類やスマートスピーカーを接続することができる。対応するセンサー類はサービスとしてアステリアが貸し出すものだけでなく、通販などで簡単に入手できるものにも対応しており、カメラはONVIF規格に対応したものであれば利用可能となっている。センサーから得た情報は、スマートスピーカーを用いて音で知らせたり、スマートフォンにSMS経由でメッセージを送ったりといった出力が可能だ。

アステリアはGravio 3を一般家庭から大規模施設にまで対応可能な料金プランを設定している。このうちAI機能を利用できるのは年間120万円以上のプランということになる。AI機能をフルに活用する上位プランは、常駐1000人規模の施設で社内外の人間を自動的に判別したり、人物だけでなく来場車両の検知までを行うことができるのだという。

発表会ではデモンストレーションとして、会場に設置した40個のセンサーと1台のGravio Hubを利用し、情報を画面上に可視化した。さらに人感センサー、温度センサー、振動センサーの情報なども反映することができる。例えば人感センサーが会場内で人の動きを捉えると、対応した位置で蝶が飛ぶようになっている。温度センサーによって水面の色が変化する仕組みや、椅子に設置された振動センサーは葉の揺れに対応する設定となっている。

さらに、入場管理のデモも実施した。今回、発表会への参加者は事前に携帯電話番号と自身の写真を同社に提供した。エントランスに到着すると、監視カメラに映った際に携帯電話にSMSが入り、会場への案内文が表示された。この仕組みは、Gravio 3で構築され、発表会の中で設定の仕方まで解説が行われた。詳細は省くが「GUIには力を入れた」と言うだけあって、簡単な手順で導入できる様子だったという。

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