筑邦銀行が九州初の試み:自治体・商工団体向けに電子地域通貨を発行


まとめ
筑邦銀行は、「ブロックチェーン」を活用する地域限定の電子通貨を発行し、利用を希望する自治体や商工団体に原則無料で使ってもらうサービスを始めると明らかにした。この試みは九州地域の金融機関では初の取り組みで福岡県内を中心にサービス展開ができるよう準備を進めている。

8月19日、筑邦銀行(福岡県久留米市、ふくおかけんくるめし)は分散型台帳技術「ブロックチェーン」を活用する地域限定の電子通貨を発行し、利用を希望する自治体や商工団体に原則無料で使ってもらうサービスを始めると発表した。紙幣形式などだった地域通貨の電子化で、管理コストが軽減され利用者負担が大幅に縮小する利点をプロモーションし利用を促す考えだ。電子地域通貨の発行サービス提供は九州の金融機関では初めてとなる。

地域通貨は1990年代から地域内の消費喚起、地域外からの集客を目的に相次ぎ発行されたが、管理コストが相当かかる弱点があり多くが廃止される結果となっていた。筑邦銀行は近年の電子決済技術の向上により課題を解決できると判断し、昨夏からシステム基盤を持つ九州電力(福岡市)の協力を仰ぎながら準備を進めたということだ。

筑邦銀行が発行主体となり、商工団体や地方自治体と利用期間などを取り決める予定となっている。利用団体は指定地域で無料配布や販売を行う。入手にはスマートフォンなど携帯情報端末が必要だ。利用団体が決めた窓口で買い物客らは現金をチャージして入手したり、専用サイトから無料で受け取ったりする。将来的には利用者間の送金も可能なり、地域奉仕活動の謝礼としての活用なども視野に入れている。

筑邦銀行は購入履歴などの情報も把握し、地域の商店や企業の販売促進に活かしてもらいたい考えだ。さらにマイナス金利や人口減で金融機関の経営環境が厳しい中、地域経済活性化への貢献で存在感を強め、将来的な取引先、融資の増加につなげていきたいとしている。

筑邦銀行によるとサービスの提供は福岡県内を想定しており、基本は無料で利用してもらうが長期運営やサービス高度化の場合は利用者に一部負担してもらう可能性がある。

利用第1弾は同県の宗像市(むなかたし)で23~25日に開かれる「宗像国際環境100人会議」だ。持続可能な社会をテーマとするイベントで、市や地場企業でつくる実行委員会が主催している。来場者は会場で告知される専用サイトにメールアドレスを登録すれば、主催者から千円分の電子通貨が無料配布(先着500人)される。漁船乗船や市内の食堂などの体験イベント会場、計約20カ所で使えるように工夫される。

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