交通の分野でブロックチェーンを応用する動きが加速しつつあるようだ。MaaS(Mobility as a Service)が注目されている現在、その発展に伴って近年注目されているライドシェアやカーシェアなどのモビリティ(移動)分野に、ブロックチェーン技術(分散型ネットワーク)を組み合わせた研究開発が世界中で実践されている。
大手企業を中心に進むライドシェア×ブロックチェーンプロジェクトだが、一体どのような事例があるのだろうか。
世界的自動車メーカーのトヨタ(TOYOTA)は、研究施設トヨタ・リサーチ・インスティテュート(Toyota Research Institute, Inc.:TRI)を設立し、MIT(マサチューセッツ工科大学)のメディア・ラボと協力してブロックチェーン技術を開発。その技術を主に自動運転車の開発やカーシェア、自動車保険の分野で活用することを狙いとしている。
また、アメリカのライドシェアサービス企業Arcade Cityでは、対価の支払いがアーケードトークンと呼ばれる独自通貨で行われている。アーケードトークンはイーサリアムのブロックチェーン上で発行されており、スマートコントラクトの利用が可能だ。
アジア各国のライドシェアでも同様の動きが起こっている。中国を拠点に活動するVVShareは、コミュニティ内のみで交換可能なVVSという独自のトークンを発行し、運賃の支払いと法定通貨との両替を行うことができる。この仕組みにより、従来の手数料が1~5%程度にまで減額可能となった。また、韓国ではMVL(Mass Vehicle Ledge)が提供するアプリ「Tada」なども存在し世界中で幅広く開発が進行中だ。
モビリティサービス分野では、前述のようなブロックチェーンの活用による手数料などの削減や周辺サービス・機能の取り込みといった動きが、今後さらに進むと見られている。