マスターカード、商品の生産・流通記録を追跡するシステムを導入:ファッション業界における偽物から消費者を守る


まとめ
米マスターカード(MasterCard)は、大手セレクトショップと協力し、ブロックチェーンを活用した流通トレーサビリティシステムの導入を発表した。 米ロダルテの生産・流通を可視化させ、コピー商品によるハイブランドの年間損失3兆円の改善目指すことを狙いとしている。

アメリカの大手カード会社マスターカード(MasterCard)は、大手セレクトショップと協力し、ブロックチェーンを活用した流通トレーサビリティシステムの導入を発表した。

市場調査会社Research & Marketsが発行した「Global Brand Counterfeiting Report 2018」によると、2017年のコピーや偽造、詐欺による損失はオンライン販売で3,320億ドル(約35兆円)に達し、高級ブランドは303億ドル(約3兆2,000億円)の損失を被った。こうした背景から、同システムでは消費者をコピーや偽ブランドから守ることを目的としている。

先だって導入したのは、女性に人気のセレクトショップのフレッド・シーガル(Fred Segal Sunset)。限定コレクションの生産・流通ステップを、マスターカードのブロックチェーントレーサビリティプラットフォームによって可視化を可能にした。フレッド・シーガルの店頭、オンラインショップで商品を購入した消費者は、衣類のタグにあるQRコードをスキャンして、商品の生産・流通記録を追跡できる。

フレッド・シーガルのジョン・フリエソン(John Frierson)社長は仮想通貨watchにて今回のサプライチェーン追跡の導入について、「フレッド・シーガルは先進的な小売業者として、最先端の技術で顧客に情報を知らせることを目指している」と述べた。

マスターカードは今後、他のアパレルブランドや小売業者にもこのトレーサビリティープラットフォームの提供するとして同分野への取り組みをより強化することを目指す。

Previous 東大が3回目となるブロックチェーン講座を開講:イーサリアム財団・三井住友など大手企業が協力
Next マネックス子会社、暗号資産等の格付けデータベース「LOOKBLOCK」ベータ版を開始