NTTデータが成果:ブロックチェーン利用で貿易手続き効率化


まとめ
NTTデータが貿易手続きをブロックチェーン(分散型台帳)で効率化する実証実験の取組成果を公表した。同社は、全国各地の港でテストを繰り返し行なってきた。今後は大手銀行や損害保険会社、商社、船会社などとのコンソーシアム型で引き継ぎ、参画規模を拡大させていきたいとしている

貿易手続きをブロックチェーン(分散型台帳)で効率化するNTTデータの取り組みが成果を上げてきた。これまで行われていた実証実験では、入力や情報共有の作業時間を11%削減することに成功している。今後の応用プログラムインターフェース(API)や基幹システム連携で書類照合の精度が44%向上することも分かっている。この成果を柱に貿易プラットフォーム(基盤)を構築することを予定している。2019年10月には試験運用を開始し、20年4月にも本サービスを始めることとなっている。

データ連携

貿易業務においては紙やPDFファイルなどの利用が主のため、誤入力や再修正によるコストが高くなっている。

NTTデータは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証実験で、セキュリティーを担保した状態で貿易業務を円滑化する「貿易手続きデータ連携システム」を構築することに成功した。ブロックチェーンを活用しつつ更新履歴の管理やデータの閲覧、真正性の確保を可能にしたのである。ブロックチェーンに登録するのは、データのハッシュ値(データと結びつく数値)のため、改ざんされた場合でもハッシュ値を比較することにより検知するできる。

船会社や輸出入事業者、銀行など関連事業者は広く公開されたAPIで接続し、対等な立場で、同じ取引情報を保有することになる。関連する事業者が参照できる権限の付与認証のほか、航空貨物通関情報処理システム(NACCS)とも連携させることになっている。

港での実証実験

NEDOの実証実験は、清水港、横浜港、博多港、東京港で実施。横浜港では過去データを使った。

そのほかでは現行業務と実証システムへのデータ投入を並行して実施・比較した。NTTデータ第一システム統括部の杉本泰輔課長は「業務や紙、書類の作成時間削減を実現できた」としている。

さらに、日本では基本的に3日前に貨物と書類を用意しなければならないルールがあり、CYカットタイムと呼ばれている。このCYカットタイムにおいては「貿易手続きデータ連携システムとNACCSデータなどを連携し、物流業者の入力が正確な場合は短縮できる可能性もある」と期待されている。

NTTデータはNEDO実証の成果を、大手銀行や商社、保険会社、船会社などとのコンソーシアムで引き継ぐ予定だ。杉本課長は「安心して貿易ができる仕組みを実現する。貿易取引の増進につなげたい」と話した。

オープン環境に

課題は貿易プラットフォームへの参加者を広く募り開放していくことがあげられる。

まずは、輸出の貿易関連書類をペーパーレス化することや原本保証・保管サービス、貿易書類の作成支援から始めることが重要となる。大企業だけでなく中小企業の利用の促進やNACCS、原産地証明書など他のサービスの連携も不可欠になるだろう。

また、経済産業省は中堅・中小企業の参画を進めるためにガイドラインを整備し、システムを利用する環境を作る方針を明らかにしている。

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