ウォール街から始まったブロックチェーンの幻想


まとめ
数年前に立ちあがったウォール街発のブロックチェーンプロジェクト、その多くは開発が進んでおらず、多くの失敗を経験している。しかし、今や多くの金融機関がブロックチェーンに対して先行投資を続けており、市場は少しずつではあるものの、着実に地を踏み始めた段階に突入している。

銀行から大手小売企業、IT企業に至るまで、企業はブロックチェーン技術の採用に数十億ドルを投じてきた。しかし過去4年間に発表された大企業絡みのプロジェクト33件を検証し、プロジェクトに携わった10人以上の企業幹部に取材したところ、この技術はまだ成果を発揮していない。

米取引所ナスダックと米金融大手シティグループは2年前、ブロックチェーン技術によって私募証券取引の決済を効率化する新システムを発表した。この時、ナスダックのアデナ・フリードマンCEOは「世界の金融セクターにおける一里塚だ」とコメントし、世界中からの期待を集めた。

このように、ウォール街を中心にブロックチェーンを活用した様々なプロジェクトが立ち上がったが、上記のナスダックと米金融企業の共同プロジェクトを含むそのほとんどがその後進展はしていない。試験段階ではうまくいったが、全面的な採用となると費用が便益を上回ったからだ。

それらの根本の原因にあるのは、規制の壁である。最近ではフェイスブックの暗号資産リブラ(Libra)導入計画が世界中の規制当局から反発を買ったため、当局の監視は今後も厳しくなる見通しだ。

しかし、今や多くの金融機関がブロックチェーンに対して先行投資を続けており、市場は少しずつではあるものの、着実に地を踏み始めた段階に突入している。

調査会社IDCによると、2020年までにはブロックチェーン投資が全産業で124億ドルに達する見通しだ。IBMはブロックチェーン技術を複数の異なる分野で活用するため、約1,500人の従業員を計画に従事させるなど、一部の大手企業も参入を急いでいる。

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