拡大するブロックチェーン活用分野:美術品の履歴記録、電気売買の実証実験など


まとめ
「ブロックチェーン」は現在、世界中で活発に研究され、新規ビジネスが次々と生まれている。面倒な貿易の手続きを簡略化したり、流通の透明性を高めたりできると期待されている。そして今や美術品の鑑定歴や美術館での展示歴、売買歴などにもブロックチェーン技術が採用される。偽物を淘汰し、適正な市場を整備する最良の方法と言えるだろう。

売り手や買い手全員が台帳を共有し、暗号化されて匿名性も高いという特徴を持つブロックチェーン。そのブロックチェーンを様々な分野・業界が活用し、新しいビジネスが次々と誕生している。

市場調査会社の矢野経済研究所は、ブロックチェーンが今後、金融分野だけでなく、商品が流通した履歴を管理したり、権利を証明したりといった用途へどんどん広がっていくと予測する。

一例として、米IBMは、ブロックチェーンで食品の流通履歴を管理するシステムを開発した。原産地や加工の内容、販売店までの履歴を一括で共有し、消費者に伝えられるという。

また、現代美術家の施井泰平(しいたいへい)氏は、東京大学院時、ベンチャー「スタートバーン」を起業し、美術品の鑑定歴や美術館での展示歴、売買歴などをブロックチェーンで記録していた。その後、空間デザイン会社「丹青社(たんせいしゃ)」などとデジタル証明書付きで美術品の販売を開始。ブロックチェーンの履歴を確認すれば、ニセモノをつかまされる心配がなく、コレクター同士が売買する際にも利益の一部を美術家に還元できる仕組みを作れる。施井氏は「日本のアートを世界に広げたい」と述べている。

ほかにも、トヨタ自動車と東京大、東京電力関連のベンチャー企業が6月、ブロックチェーンを使い、太陽光発電で発電した電気に履歴をつけて「エコな電気だけを買いたい」といった需要に応えられる電気売買の実証実験を始めている。

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