ガス生産企業(ロシア国営)のガスプロム(Gazprom)は、同社オペレーションにブロックチェーン技術を活用し、取引契約の履行や管理などのガス供給プロセスをデジタル化する。
同社のCEO、アレクシー・ミラー(Alexey Miller)氏は、「(ガスプロムの子会社で、ロシア第3位の銀行のガスプロムバンクと協力して)契約の締結、管理、履行を自動化するプラットフォームのプロトタイプの開発に成功した。このシステムは裁定取引やガス代計算の自動化も提供できる」と述べた。システムには、プロセスに携わる関係者全員がアクセスすることができる。同氏は、「改ざんや無許可の改変からは完全に保護されている」と続けた。
まず、同社は、主要な産業消費者と提携して、ブロックチェーンを利用したプロセス自動化の導入を進めていく予定だという。
ロシアのドミートリー・メドヴェージェフ(Dmitry Medvedev)首相とミラー氏の会合の場において、首相は「ブロックチェーン技術は、ロシア経済、そしてガスプロムのような企業の活動において将来有望だ」と述べた。
ガスプロムは以前までも、ブロックチェーン技術の活用に積極的だ。2018年夏、同社の航空燃料補給子会社、ガスプロムネフチ・エアロ(Gazpromneft-Aero)は、燃料供給における計画・会計プロセスの自動化を目的として、ブロックチェーンおよびスマートコントラクト技術を導入している。2018年2月、ガスプロムの子会社、ロシア第3位石油生産企業のガスプロムネフチ(Gazprom Neft)は、ロジスティクスやサプライチェーン管理の改善に、ブロックチェーンの活用を試みた。その2か月後、ガスプロムバンクは、富裕顧客向けに暗号資産取引サービスを提供することを検討していると発表した。