まとめ
ブロックチェーン導入によって大きなコスト削減が見込まれる。同技術の本質の理解を前提に、ブロックチェーンに合わせた業務の簡素化が求められる。そのため、「人」を含めたトータルコストや、ブロックチェーンを使う必要性など、さまざまな角度からの検討が必要になる。
近年、注目度が高まるブロックチェーンにはさまざまな種類があり、ビットコインやNEMに用いられる「パブリック型」のほか「プライベート型」や「コンソーシアム型」が存在する。こうしたブロックチェーン技術は、現在さまざまな分野で活用が見込まれているが、特に「プライベート型」は、多くの企業におけるコスト削減の側面で注目されている。
しかし、コスト削減は、ブロックチェーンそのものの本質的な価値ではないという。コスト削減の可能性があるのは、ブロックチェーンに合わせて業務を簡素化したときだ。
例えば、あるユーザーが使うとき、その前のユーザーが入力したデータがすでに登録されており、必要な項目を追加するだけで次に回せる仕組みをブロックチェーンで実現すれば、業務の在り方も変わる。これは会社の書類を徹底的に電子化し、最後にハンコを押す必要がない仕組みに変えることが前提となる。業務を全く変えたくないのであれば、ブロックチェーンはコスト削減は実現しない。
また、全ての業務がブロックチェーンに適しているとは限らないため、従来の別のアーキテクチャとブロックチェーンを並列して使うことも考えられる。この場合、もともとメインフレームを使ってきた会社の人が、ブロックチェーンのような得体の知れないものを使うとなると、違う担当者を用意する必要性が出てくる。
ブロックチェーンの導入には、「人」を含めたトータルコストや、ブロックチェーンを使う必要性など、様々な角度からの検討が必要になるといわれる。