【テックビューロ株式会社】プライベート型ブロックチェーンサービスを展開、あらゆるソリューションに対応


まとめ
テックビューロ株式会社は、暗号資産交換事業だけでなく、ICO国内ソリューション事業を展開する企業である。その関連会社、テックビューロホールディングス株式会社との連携によって、ブロックチェーン技術の応用に取り組み、現在はあらゆる分野において企業にブロックチェーンソリューションを提供している。

企業概要

企業名称:テックビューロ株式会社
代表者:代表取締役 朝山貴生
設立:2014年6月16日
公式HP:https://techbureau.jp
主な事業拠点:日本、米国、スイス、ロシア、ベルギー、ミャンマー、オランダ、中国、ドイツ
対応言語:日本語、英語、ロシア語、中国語、ドイツ語

事業内容

暗号資産交換業
ICO国内ソリューション事業

国内ソリューション事業として、ICO総合プラットフォーム「COMSA(コムサ)」を提供。企業のICOによる資金調達と企業の持つアセットのトークン化を支援する。また、ICOコンサルテーションやトークンの作成と販売などを展開する。

ブロックチェーンソリューションとして「mijin」を提供。ブロックチェーンの特徴を全て盛り込んだ同商品によって、あらゆる分野から300以上の企業の導入実績を持つ。

バックグラウンド

世界のブロックチェーン業界では、2017年6月の時点で過去12ヶ月間のICO(Initial Coin Offering – 暗号資産発行による資金調達手法)による資金調達総額が、ベンチャーキャピタルにより大幅に増加。ICOの法的なポジションは、今後国際的にクリアになることが予想され、ICOを実施する企業にはますます綿密な設計が必要となる。

多くの企業がICOを希望する中、基本となるブロックチェーン技術の導入には様々な問題がつきまとう。例えば、暗号資産の法定通貨に対するボラティリティであり、会計上や監査上の様々な煩雑さを引き起こしている。テックビューロ株式会社は、あらゆる企業のニーズに応えるべく、ソリューションを提供している。2018年、関連会社であるテックビューロホールディングス株式会社を設立。同社のプライベート型ブロックチェーンサービス「mijin」は、300社以上に実証実験環境を提供した。

サービス内容・商品

同社は、ブロックチェーン技術を活用した様々なソリューション・サービスを提供している。中でも同社発の「mijin」は、ブロックチェーンソリューションとして、ブロックチェーン が持つ全ての要素(認証、暗号化、不特定多数アドレス、マルチシグ、アセット勘定、マルチアセット、半恒久記録、ブロック概念、完全分散型ネットワーク)を実装している。

また、mijinは世界で初めてマルチシグとマルチアセット勘定をプロトコルレベルで実装している。他にも、高速マネー勘定、銀行勘定、マイクロファイナンスの適用や、シングルチェーン所有権移転に成功したことも世界初である。実証実験用ではなく、実用レベルのブロックチェーン製品として提供されている。

mijinが持つ「ネームスペース」「モザイク」を使うことで、新しい開発なしで独自トークンが発行可能となる。また、マルチシグニチャを標準装備しているだけでなく、100%独自コードで書かれている点で、他社製品に比べてパフォーマンスが高い。その他、DoS攻撃(局所スパム防止の手法)や不正ノードへの防御策が実装されており、指定された受信者と鍵の条件をもってのみ復号化できる強固な暗号システムも搭載。さらに、使いやすさと実用性を優先したREST APIを提供、POST、GET時のデータ形式はWEB標準のJSON形式を採用しているため、WEB開発との親和性も高く、開発を進めやすい環境が提供されている。

"mijin" 3つのポイント

  1. オンチェイン・アセット・モデリング
  2. スマート・サイニング・コントラスト
  3. 圧倒的コスト削減

オンチェイン・ アセット・モデリング

複雑なコーディングなしに、ブロックチェーン上にあらゆるアセットの勘定を定義して生成できる。円、ドル、ユーロといった通貨から、商品、部品、ポイントなど自由に対応し、それらをまとめたアセット群として実際にチェーン上で商取引を高速シミュレートが可能。

スマート・サイニング・ コントラクト

直接の所有権移転から、エスクロー、仲介業まで、あらゆる商慣習(コントラクト)をトークンアセットとそれをコントロールする鍵の組み合わせ(マルチシグ)だけで実現。高度な暗号化技術により、一旦決めたプロセスを無視し、なりすまし執行することは不可能となる。

圧倒的コスト削減

データベース設計から、デバッグ、システム監査、整合性チェックなど、既存の開発プロセスに捉われず、アセットや管理・利用権限をデザインするだけでゼロダウンタイムのエンジンが利用可能。アプリケーション開発からスタートでき劇的にコストを削減することが可能。

導入事例

パーソルキャリア株式会社(就職情報サービス)

日本国内の働き方改革によって、従業員の副業が推進される中、労働基準法に違反しないために、企業は従業員の副業時間まで管理する必要性が出てきている。また、サービス残業などが社会問題化している現状から、パーソルキャリア株式会社はテックビューロの製品「mijin」を用いて、新しい就労管理システムの実証実験を行った。

この実証実験では、mijinの特性を活かし大きく2つの方法を同時に用いて就労管理を行った。まず、mijinがNEMと同様のAPIを標準搭載していることから、従業員一人ひとりに特有のトークンを発行(このトークンは各従業員1人につき1つ)。トークンの移動によって、タイムカードと同じように就労管理する。例えば、ある従業員が企業Aに勤務している間、従業員専有のトークンは一時的に企業Aのもとに渡る。勤務が終了するとトークンは従業員の元に戻り、その後企業Bで勤務する場合は、同様にトークンの移動が行われる。これによって、企業は従業員の二重勤務を防止できるだけでなく、履歴をもとに従業員の労働時間を副業先の分まで正確に確認することができる。無論、このデータはブロックチェーン上に保存されるため、勤務時間の改ざんは不可能になる。

さらに、2人以上の署名によって初めて承認プロセスが実行される、マルチシグニチャ機能を活用することで、従業員や企業側が不正にトークンを移動させることを防止する。これによって、管理者が知らない間に就労者が出勤していたり、退勤していたりすることがないように運用することができる。同様に、就労中なのに退勤したことにするようなサービス残業の抑止にもなるとともに、別の勤務をしていたかのような水増しもできない。

日本ジビエ振興協会

ブロックチェーン技術を用いたトレーサビリティの管理は、現代において一般化しつつあるが、日本ジビエ振興協会はmijinを活用しジビエ食肉(狩猟で捕獲したシカやイノシシなど野生鳥獣の食肉)のトレーサビリティを管理する実証実験を行った。日本において、2016年においてようやく法律によって国産のジビエ食肉が認められ、日本ジビエ振興協会はその普及に努めている。一方で、野生鳥獣には寄生虫や感染症、それに解体過程での汚染などのリスクがあり、食肉処理業の許可を受けた施設で規定通りに解体処理することを義務付けている。ジビエ食肉の流通過程で、まだ決まったばかりの各種ルールの遵守を確認する仕組みが求められていた。

同協会は、mijinのマルチアセット機能を用いて狩猟・捕獲から消費者の元に届くまでの細かいトレーサビリティ管理を実現した他、マルチシグによって、各処理ごとに署名をさせることによって情報の詳細性や正確性を保証した。mijinのこうした機能を用いることによって、例えばある工程でジビエ食肉Aに感染症が発見された場合、流通経路を辿ることによって感染症のリスクを未然に防ぐことができる。

株式会社イード(ゲームメディア)

いまやゲームの世界大会が開催されたり、ゲームをすることでお金を稼ぐ人が出てきたりと、現代におけるゲームの普及率は凄まじく、ファンも多数いる。株式会社イードは、そんなゲーム業界においてmijinを活用したトークンエコノミーを構想し、新規事業「Game Days」によって、ゲームを遊ぶことが価値になる社会を目指している。

「Game Days」では、ユーザーがゲームをプレイした時間に応じてトークンを付与する他、ゲームの購入や、情報をシェアするといった行動にもトークンを付与していく。トークンは有償での販売や、法定通貨や他のトークンとの交換を実施される予定はなく、あくまでも「GameDays」プロジェクトでのみ使用可能で、トークンでゲームの購入やゲーム内アイテムと交換などができる仕組みになる。

mijinは、トークンの発行や取引など各機能をすべてAPIで提供するため、エンジニアはブロックチェーンに関する開発をGET、POSTのみで作成でき、開発負荷は大きく削減された。また、mijinを利用することによって、NEMのモザイク機能を用いることもでき、独自トークンの作成も簡単になったことが魅力的だ。

 

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