まとめ
富士通はメガバンクと共同でブロックチェーン事業に着手している。現在、低金利の影響で既存の銀行業のビジネスモデルによって安定した収益が確保できていないため、銀行側としてもデジタル技術を駆使した新たなビジネスモデルの構築が求められている。
昨年春、富士通は、メガバンク3行(みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ)と共同で、ブロックチェーン技術を活用した個人間送金サービスの実証実験を実施した。
実証実験に向け、同社は、3行が共通で利用できる個人間送金用のクラウド上のブロックチェーン基盤と、利用者が送金や入出金の手続きを行うためのスマートフォン用アプリケーションを開発する方針だ。
同サービス基盤上に設けた個人用送金アカウントと実際の預金口座間での出入金におけるシームレスな連携、個人用送金アカウント間での価値移転、クリアリング(アカウント間で発生した送金を精算し、銀行間の決済額を計算すること)とセトルメント(クリアリングで算出した額を銀行間で受け払いし、決済を完了させること)を含めた個人間送金にかかる一連のプロセスの正確性や安全性について検証することになる。