仏ソシエテ・ジェネラル、約125億円相当の債券をイーサリアムのパブリック・ブロックチェーン上に発行


まとめ
フランスの金融大手のソシエテ・ジェネラル・グループが、1億1200万ドル(約125億円)相当のデジタル債券の発行を発表した。ブロックチェーン技術を採用することで商品のスケーラビリティ(拡張可能性)向上、コンピューターコードの自動化構造、そして情報管理の透明化、仲介機関のコスト削減など多くのメリットをもつ新時代の債券として注目が集まる。

フランスの金融大手、ソシエテ・ジェネラル・グループ(Societe Generale Group)は、セキュリティ・トークンとして、1億1200万ドル(約125億円)相当の債券をイーサリアムのパブリックブロックチェーン上に発行した。

2019年4月23日(現地時間)、同社の子会社、ソシエテ・ジェネラルSFHは1億ユーロ相当のカバードボンド(発行体のバランスシートに残りつつ、特定の資産に裏付けられる債券)をOFH(obligations de financement de l’habitat、住宅融資証券)トークンとして発行したこと発表した。

しかし、米大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(Moody’s Investors Service)が23日に発表した報告書によると、同社は自社向けにこの債券を発行しており、外部の買い手は関与していない。

ムーディーズによると、同債券の満期は5年、12カ月の延長期間が付いている。また、同債券は「パリパス(pari passu)」が確保されているため、発行者が取り扱っているその他のカバードボンドと同順位で扱われる。これにより、もし会社が倒産した場合、同トークンの保有者には、通常債券の保有者と同様の金額が返済される。

ムーディーズは、伝統的な手段を用いたカバードボンドの発行に関与する仲介人の数から生じる誤謬の可能性の減少および透明性の向上などの理由から、ブロックチェーン技術の使用は発行者にとって「クレジットポジティブ」であると見なしている。

ソシエテ・ジェネラルによると、今回の試験的なトークンは、同社のブロックチェーン子会社ソシエテ・ジェネラル・フォージ(Societe Generale FORGE、ソシエテ・ジェネラル・グループの社内起業プログラム、「インターナル・スタートアップ・コール(Internal Startup Call)」を通して立ち上げられた社内スタートアップ60社のうちの1つ)によって作られたものだ。また、同プロジェクトの技術に関しては、 4大会計事務所の1つ、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)、法律に関してはフランスの法律事務所Gide Loyrette Nouelがアドバイザーを務めた。

そして新たに、ソシエテ・ジェネラル傘下のプライベートバンク、クラインオート・ハンブロス(Kleinwort Hambros)が、ブロックチェーン関連企業への投資に焦点を置いたETN(Exchange Traded Note、上場投資証券)の発行を追加発表している。大手を含め、企業がパブリックブロックチェーンを用いた実験を行うケースは増えているが、グローバルな投資銀行が実際にデジタル証券を発行するのは珍しい。

他国の事例で同様のケースとして、オーストリア政府は13億ドル相当の国債オークションの公証にイーサリアムブロックチェーンを利用するパイロットプロジェクトを昨年発表したり、スペインでは、銀行大手BBVAが、スペインの送電会社レッド・エレクトリカに対して組成した1億5000万ドルのシンジケートローン(協調融資)をイーサリアムブロックチェーン上に記録したりしている。また英ロンドンでは、スタートアップ企業ニバウラ(Nivaura)が、英高級品小売スタートアップ、ラックスデコ(LuxDeco)にプラットフォームを提供し、イーサリアム建ての社債を発行している。

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