【OSA Decentralized Limited】小売・流通業向け、在庫とビジネスプロセスの最適化から5%以上の経済効果を実現


はじめに
在庫不足などの問題から、小売・流通業界で発生する逸失利益は年間55兆円と言われている。また、売れ残りなどから廃棄される商品も10兆円以上の損失を計上しているそうだ。OSA DCはAIとブロックチェーン技術によって、これらの損失を効率的に管理し、軽減させるという。導入による効果は平均5.4%の売上向上だ。

企業概要

企業名称:OSA Decentralized Limited
代表者:Alex Isaiev
設立:2015年
公式HP:https://osadc.io/jp/
主な事業拠点:ロシア、ウクライナ、アメリカ、日本、中国、韓国
主な取引先:Nestle、Coca Cola、DANONE、MARS、METRO、MAGNIT

バックグラウンド

在庫不足、あるいは製品の余剰は、小売店そして製造メーカーにとって大きな経済的負担となるのは想像に難くない。
またこれらの問題は事業者に留まらず、消費者の健康や環境汚染などの問題も伴う。
OSA Decentralized Limited(以下、OSA)の初期のサービスモデルにおいて、小売チェーンへのソリューションの導入を通じて様々な課題に直面した。
先ず、ソリューションの実装は従業員に抵抗され、時にはデータの改ざんなど不正行為により妨害されることもあった。また、廃棄レベルは最小限に抑えるため、期限切れの製品を販売するケースも明らかになった。人為的な課題と言える。

また、仕組みから生じる課題にはこのような例がある。
OSAがソリューションを推進する中で得たデータによると、在庫切れの30%以上は、サプライチェーンの不均衡によって、製造業者から小売店の倉庫に至るまでに発生しており、未解決のままであった。
サプライチェーンにおいて、1)製品トラッキングの名称、測定単位のITソリューションの不一致、2)サプライチェーンメンバー間、特に消費者製品メーカーと小売店間の信頼関係の欠如によるデータ共有意思の欠落という2つの大きな問題に直面していたことが判明した。

これらの問題を評価した結果、最終的にはブロックチェーンおよび他のブレイクスルー技術の組み合わせを用いることでのみ、これらの問題を克服できるという結論に達したのだ。

OSAの技術的優位性

ブロックチェーンとAI、2つの先端技術によるソリューションの提供

OSAのAIエンジンはリアルタイムでビッグデータを解析し、問題の解を事業者へ与える。そして、AIとブロックチェーンから構築されるスマートコントラクト機能は、ビジネスプロセスを自動化する。そしてこれら技術は、実際の顧客を通じて実証済みのテクノロジーである。

技術を裏付ける受賞歴

de10e
フィンテック、ブロックチェーン、シェアリングエコノミー、その他先進的な技術を評価する世界23各国で開催された実績を持つコンテスト。OSAはソウル開催で1位、ダボス開催で2位の受賞を受けている。

STARTUP BATTLE
2017年11月、予選を通過した12組のスタートアップを対象としたコンテストが、シリコンバレーにて開催された。審査員は皆、シリコンバレーに本拠を置くVC(ベンチャーキャピタル)である。OSAはここでも1位を獲得した。

Lives Sharks Tank
TV放送されるアメリカのスタートアップコンテスト。全てのビジネス分野を対象に行われる為、参加するスタートアップはITやテクノロジーだけでなく、食品や衣料さど様々である。OSAはここでもTOP5の評価を得ている。

事業・サービス内容

OSAは、リアルタイムでのon-shelf availability サービスの提供と、物流・サプライチェーンを対象としたSaaSツールの提供から、事業者の様々な課題解決を実現する。

事業者の課題

・在庫切れ/過剰在庫
商品の売れ行きをタイムリーに把握できていない場合、天候等の外的影響によっても発生する。

・ファントム在庫
製品が在庫切れのときに発生する。しかし、小売業者の在庫管理システムは、手持ちの製品があることを示している。

・誤値
技術的な不具合やヒューマンエラー

・多忙なスタッフ
多忙である程、ヒューマンエラーや対応遅延が発生

・陳列スペース不足
商品の陳列は店舗内の限られたスペースから割り当てる。時折、商品を補充する前に、棚が空になるまで待つという事象が起こるという。しかし、在庫がなくなってからも、何人かの顧客がその棚を訪れている可能性がある。

・地域需要を把握できていない
小売りチェーンの集中管理が、在庫の割り当てを管理していたらどうか。地域需要の細かな違いを説明できないリスクが生じる。その結果、いくつかの店舗では在庫が過剰になる。

on-shelf availability

on-shelf availabilityは、ビッグデータとAIのよって、リアルタイムに店舗内業務の効率化を実現する。
店舗に係るデータ(POS/プロモーション/マトリックス/価格/在庫データ/天気データ/注文状況/スタッフデータなど)を集約し、分析アプリケーションに対応した構造化されたビッグデータを作成する。
さらに、専用の分析アプリケーションにより、商品や店舗状況の予測をし、店舗在庫における問題の解決策を提示(アラート)する。この分析とアラートのサイクルは機械学習され、精度が向上していき、最終的には社内で最も信頼できる店舗アドバイザーとなる。

またこのサービスは、平均5%以上の売上増加に加え、顧客ロイヤリティの向上、コストとビジネスプロセスの最適化の実現も可能とする。

導入事例

MAGNIT社(コンビニチェーン)

4月から10月までのパイロットは、問題のタイムリーな検出と迅速な是正措置を講じた。

改善例
• ファントムストックの消去
• 適切な値札の設置
• 倉庫在庫の管理と棚の補充の最適化
• 商品が購入者に視覚的に認知されることを確認

結果:10%の売上成長の可能性を発見

METRO社(スーパーマーケット)

マーチャンダイジングの優先順位付けと管理強化によるnet sales revenue(NSR)の成長

OSAのソリューションが発見した機会損失
・ファントムストック
・プライスタグの不足
・商品の可視性/アクセシビリティ
サプライヤーとデータを共有することで期限内に問題解決を行うことができ、売上向上に繋げる。

結果:1年で348,017ドルの削減効果

Nestle(メーカー)

同社と共に行った実証実験では以下の結果を得た。

 

例えば、棚卸の際、常に正常な在庫を保っていれば最短の時間で在庫をチェックすることが出来る。仕入れから販売の流れがスムーズで、適切な在庫が保たれているからと言える。

もちろん在庫には消費(賞味)期限、経年劣化という課題もある。

これらの管理が属人的である割合が高いほど、廃棄ロス、品切れ、管理コスト、ヒューマンエラーによるトラブルなどのリスクが高くなると考えられる。

また万が一、上記の情報やデータが悪意の元で改ざんに晒された時、企業の信頼を大きく揺るがす大事へと発展する可能性を秘めている。

OSAの提供するソリューションとは、適正在庫によるコストの削減に留まらず、ビジネスプロセスの最適化を通じた、信用リスクから企業を守る手段とも言えよう。

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