金融機関のデジタル推進における5つのクラスタ


まとめ
金融サービス企業の多くは、デジタルビジネスから価値を生み出す取り組みを進めている。これにはさまざまなルートやアプローチがあるが、世界の金融サービス企業のほぼ半数では、依然としてごく初期の段階か、あるいは未成熟な段階にある。

Gertnerは金融サービス企業の最高情報責任者のうち、前年より8%以上増のに当たる3分の1は2019年のビジネスの最優先課題として「デジタル推進」とあげていると発表した。

デジタル推進の具体的な方針として、現在のビジネスモデルや商品、プロセス、顧客エクスペリエンスを徐々に改良し、最適化していく予定だ。

実際に、デジタルビジネストランスフォーメーションでは、新しいビジネス機能やIT機能が、競争力の強い新しいデジタルビジネスモデルの戦略的な基盤として導入される。

Gartnerの分析者は、金融サービス業界におけるデジタル変革の状況を評価するために、金融サービス企業が「どのように価値を生み出しているか」(ビジネスモデルとIT戦略へのアプローチ)と、「どのように業務を行っているか」(重要な新技術の導入とデジタルトランスフォーメーションを進める組織的なアプローチ)を調査した。

ワイス氏は「調査結果を基に、金融サービス企業を5つのクラスタに分類できた。この分類により、金融サービス業界に見られるさまざまなデジタル戦略を精緻に分析することが可能になっている」と説明する。

また、「世界の金融サービス企業のほぼ半数では、デジタルトランスフォーメーションの取り組みは依然としてごく初期の段階か、あるいは未成熟な段階にある。このことは注目に値する。彼らは、『従来型ビジネス』と『デジタル化の初期段階』に分類される」とも語った。

5つのクラスタ

  1. 従来型ビジネス
  2. デジタル化の初期段階
  3. デジタルファストフォロワー
  4. デジタルイノベーター
  5. デジタルトランスフォーマー

 

  • 従来型ビジネス

    26%の金融サービス企業がこれに属する。

    一般的に、これらの企業は既存市場における従来型のビジネスと成長に依存しており、プロセスの最適化や新技術による変革、ビジネスモデルの展開に乗り出そうとしない。

  • デジタル化の初期段階

    これに属する保険会社や銀行は、人材がデジタル最適化の成功の決め手だと考えているため、デジタル戦略の最重点課題は組織としてデジタル技術を活用できるようにスタッフを雇用または教育することが、位置付けている。

  • デジタルファストフォロワー

    これに属する金融サービス企業は、新技術の導入やビジネスプロセスの最適化を計算されたリスクを取ることにより行うが、一般的にイノベーションをリードしたり現在の価値提案を取り下げたりはしない。

    一部のファストフォロワーは、市場の変化や競合他社の動きに対応する時間を短縮するため、対応の俊敏さや市場投入のスピードを追求している。

  • デジタルイノベーター

    技術の活用力が高く、変革のための新しいアプローチや戦略の取り入れ方が成熟しており、ブロックチェーンや人工知能(AI)といった新しい技術を積極的に取り入れている。

    こうした金融サービス企業は、顧客体験を向上させる技術を求めていることが多く、チャットbotなどのツールを使って顧客サービスのやりとりを改善しようとしている。

  • デジタルトランスフォーマー

    金融サービス企業のうち、たった12%がデジタルトランスフォーメーションの取り組みが成熟している「デジタルトランスフォーマー」のクラスタに属する。

    この12%は、業界に創造的破壊を起こし、新しい成長分野を切り開いたり、新しい市場に参入したり、新しい収益源(データのマネタイズのような)を創出したりするデジタルトランスフォーメーションを進めることが最大の目標だ。このクラスタの金融サービス企業は、AIやブロックチェーン、拡張アナリティクスといった技術の利用率が2倍以上高い。

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