【纸贵科技有限公司(ジッグラト)】Hyperledgerオフィシャルメンバー最新テクノロジーに迫る


※株式会社INKBATORは、2019.9に組織体制改編のため中国法人 纸贵科技(ジッグラト)に統合され、今後は纸贵科技(ジッグラト)として引き続き活動していきます。(2019.7.25更新)

はじめに
日本国内には優れたブロックチェーン開発企業は数多く存在する。しかし欧米と比較すると、まだまだブロックチェーンエンジニア数も不足しており、日本の将来を担う分野にとっては多くの課題が山積している。今回は、日本と中国の架け橋をしながらブロックチェーン技術を日本国内へ導入普及に尽力しているブロックチェーン技術のエキスパートたちを紹介していく。

企業概要

INKUBATOR(中国法人:纸贵科技(ジッグラトテクノロジー))は、 80名以上のブロックチェーンエンジニアを自社で抱える分散型技術の専門企業である。
開発メンバーの過半数は清華大学、北京大学の理系学部の卒業生であり、 R&DチームのメンバーはIBM、アリババ等のバックグラウンドを持つ者が多く在籍している。

【受賞歴・加入コミュニティー】
2018年 Hyperledgerオフィシャルメンバー加入
Enterprise Ethereum Alliance(EEA)オフィシャルメンバー加入
中国信通院(CAICT)主催「信頼性のあるブロックチェーンサミット応用事例」TOP10入
CTO陳昌著書『ブロックチェーン原理、設計と応用』発行12万部突破、
出版社主催「ベストセラー図書賞」を受賞
清華大学経済管理学院と「清華大学ブロックチェーン研究センター」設立
西安交通大学と「ブロックチェーン技術及び法律イノベーション研究実験室」
「スマートブロックチェーン技術研究実験室」設立
西安電子科学技術大学と「ブロックチェーン応用と評価研究センター」設立

2019年 中国信通院(CAICT)指定ブロックチェーンアライアンスの副理事正式就任
中国重慶市渝北(ゆほく)区と戦略パートナー締結
中国西安市「デジタル金融イノベーション」メンバー加入

企業名称:株式会社INKUBATOR(中国名:纸贵科技)
代表者:Francis Tang(フランシス タン)
設立:2016年7月
公式HP(中国):https://ziggurat.cn
公式HP(日本):www.inkubator.jp
主な事業拠点:中国、シンガポール、韓国、日本
サービス対応言語:日本語、英語、韓国語、中国語
事業提携先:アリババ、ファーウェイ、バイドゥ、大手コンサルティング会社、大手SIなど
問い合わせ先:tanak@ink.one
担当者:田中

バックグラウンド

フランシスがインクベーターを立ち上げたきっかけは、自らの作品を盗作されたことだった。
2015年、大学2年生だったフランシスは、趣味でウェイボーのライターとして活動していた。

結果このアカウントは多くのフォロワーを獲得し、広告の業務を受託するようになるまでになった。
しかし、自分のコラムやキャッチコピー作品が盗作されるケースが頻発した。
彼は自らの著作権を守るべく、盗作者に対し裁判を起こしたが、いずれも証拠不十分で棄却されたり、エビデンスが弱いため長期戦にもつれ込んだ。

このことがきっかけとなり、著作権保護分野で起業しようというアイデアが芽生えた。それも、新しい技術で、自分のような個人で活動する著作権者を助けようとした。

2016年7月、フランシスは、西安交通大学知的財産権研究センター主任の馬治国教授の指導のもと、ブロックチェーンを用いた著作権保護プラットフォーム開発会社インクベーター (中国語「紙貴科技」)を設立した。

事業内容

INKUBATORは3年以上にわたる技術開発と自主イノベーションを行っている。

コンソーシアムチェーン、パブリックチェーンの独自開発だけでなく、ブロックチェーン技術・分散型技術に精通し、Hyperledger Fabric、Ethereum等も開発が可能であり、ビジネスシーンや顧客のニーズに応じたカスタマイズソリューションを提供している。

【同社開発可能サービス一覧】

また、同社は19のソフトウェア特許、 100を超えるソフトウェア著作権を取得している。
その内容はブロックチェーンアーキテクチャ、クロスチェーンソリューション、セキュリティモニタニングとランニング等、幅広い領域に及んでおり、業界では高い注目を集めている。

中でもここ最近大きく受注を伸ばしているのは、「スマート農業」分野(アグリビジネス)だ。
スマート農業とは、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、省力化や精密化などを進めた次世代農業を指す。

日本国内では、農家の高齢化に伴う後継者不足や近年の異常気象による不況等の課題にこの「農業×IT」が政府主導で取り組みが行われている。

事業・サービス内容

Hyperledger Fabric、Ethereum、IRIS、IPFS、EOS、DID、クロスチェーンインタラクテーション、形式的検証等、多くのブロックチェーン技術をサポート。さらにはFabricをベースに開発した自社商品Z-Ledger(以下後述)も提供している。
得意とする分野は以下の通りである。

ここで同社が特に強みとしているのは以下のサービスだ。

①サプライチェーンファイナンス
企業のサプライチェーンの競争力を高め、コスト削減や流動性向上などを図る金融サービスを手掛ける。
②データガバナンス
データの優先順位や管理方法を決定し、データの流動性や安全性を高める運用方法。
③トレーサビリティ
商品にまつわる情報(栽培や飼育、加工・製造・流通など)の過程を明確にする。

Z-Ledger

Z-Ledgerは、同社が独自開発したコンソーシアムチェーンであり、Hyperledger Fabric 1.xをベースにコンセンサスアルゴリズムをTendermintに入れ替えた”改良品”だ。
その結果、Fabricと比べてTPSが速く、クロスチェーンにも対応しており、コンソーシアムチェーンでもトークン発行が可能になった。
また、様々なビジネスシーンですぐに使えるよう、ブロックチェーンエクスプローラー、メンテナンスプラットフォーム等の周辺プロダクトを合わせて提供する。
アセット登録、デジタルアセット譲渡、プライバシー情報保護、監査など、より多くの企業と消費者の需要をカバーできることが最大の強みだ。

【著名なコンソーシアムチェーンと同社Z-ledgerの技術比較表】

Zeus

ZeusはTendermintをベースに、IINKUBATORが自社で設計・開発した、新世代型パブリックブロックチェーンネットワークだ。
ZeusコンソーシアムアルゴリズムはTendermintコンソーシアムアルゴリズムをコアとし、プールを通して公平要素を採用し、高性能且つ安全に改良された「スマートコントラクト実行環境を備えたDPOSコンソーシアムアルゴリズムである。
同社に在籍している優秀な技術者たちが手掛けた世界トップクラスの技術力で世界に新たなビジネスモデルの礎を提供する。

導入事例

天水リンゴ

ここでは、同社の強みとしている情報トレーサビリティについての事例を取り上げる。
「天水ブロックチェーンリンゴ」プロジェクトだ。

2018年に中国天水市行政と共同開発した、中国初となるリンゴのトレーサビリティ案件。
【背景】
偽天水リンゴが市場に出回っており、農家収入に多大な影響を及ぼしていた。
【内容】
リンゴの種まきから梱包に至るまで全生産過程情報をブロックチェーン(Z-ledger)に記録する。
リンゴの表面にQRコードを日焼けさせ、消費者はスマートフォンを使って情報を確認することができる。
【効果】
本物の天水リンゴの証明に貢献し、本来あるべき収入が農家に入るようになった。

消費者は、リンゴにまつわる情報を簡単に確認することができ、安心して購入できるようになった。
QRコード読取り率300%以上(=1つのリンゴを3人が読み取る)、他のリンゴと比べて再購買率は150%にも及び、メディアや口コミで話題となった。
次のシーズンでは更に多くの農家、農地が当案件に参画する予定となっている。

GERUNブロックチェーン卵

2018年に中国国内生鮮たまご大手企業と共同開発した、中国初となるたまごのトレーサビリティ案件。
【背景】
中国国内で食の安全に関する行政命令があり、生鮮たまご業界全体でブロックチェーン導入が検討され始めていた。
【内容】
卵を産んだニワトリの情報(大きさや年齢)・ニワトリの飼育環境から始まり、卵そのものの情報(重さ、含有成分など)、また卵が出荷されてからスーパーに陳列されるまでの一連の情報をブロックチェーン(Z-ledger)に記載。
たまごの表面にQRコードを日焼けさせ、消費者はスマートフォンを使って情報を確認することができる。
【効果】
消費者は、たまごにまつわる情報を簡単に確認することができ、安心して購入できるようになった。
GERUNグループは同業界で初めてブロックチェーン導入したことで、同業企業からの注目を集めた。
食の安全を守るだけでなく、企業ブランディングにも貢献した。

著作権保護プラットフォーム

2016年に著作権保護プラットフォームを開発。
【背景】
デジタルコンテンツの存在証明を行う機関が少なく、また手間や時間がかかっていた。
クリエイターなどの個人や企業において、著作権侵害、盗作被害が横行していた。
【内容】
公証役場、著作権管理機関、大学がノードとなり、著作権データ認証データの保管、モニターニング機能を果たす。
著作権情報(作者名、作品名等)をブロックチェーン(Z-ledger)にアップロードし、保管と法的保護を実現。
著作権侵害が起きた場合、裁判所はチェーンに記録された認証をエビデンスとして参照する。
【効果】
ノードに管理機関等が参加し、司法機関に認められる法的効力(中国国内)をもつ。
デジタルコンテンツ登録数100万件を突破した。
登録にかかる時間は数秒で、手間や時間を大幅カット。
中国信通院(CAICT)主催「信頼性のあるブロックチェーンサミット応用事例」TOP10入りを果たす。

以上のように、同社ではこれ以外にも多くの実績を残している。
令和の時代は、いかにデジタル技術にいち早く順応できるかが、各々の会社にとってビジネス収益の根幹を支える重要なポイントになりそうだ。

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